最近まではパニック障害やパニック障害や全般性不安障害のなりやすさには遺伝が深く関係していると言われていました。しかし、今ではそこまで深く関係していないと言われています。
しかし、不安と関係する遺伝子が存在していることは間違いありません。
その不安に関係する遺伝子というものが『セロトニントランスポーター』という遺伝子です。パニック障害や全般性不安障害になりやすい性格は、真面目、完璧主義、心配性などです。ただこれらの性格は別に悪いことではありません。
真面目な性格、心配性、完璧主義などの性格の『悪い面』が出続ける環境に居たり、ストレスに囚われていると気を抜けなくなり、ストレスが強くなることでパニック障害や全般性不安障害になりやすくなります。
上手にそのストレスを受け流すことができれば良いのですが、このような性格の方だとストレスを受けても真剣にそのストレスについて考えてしまいます。
今自分に降り掛かっているストレスについて考えること自体は悪いことではありません。
ストレスを受けた後の思考の癖
例えば仕事で失敗したとします。自責の念や上司からの叱責など、いくつも考えなければならないことがあらわれます。理由はどうあれこれらはすべて心身にとって『ストレス』になります。
この失敗に対してキチンと反省し打開策を講じる、あるいはそれが無理なら撤退も含めて次善の策を講じることができれば、ストレスによってそこまで心身を煩わせることもありません。
しかしこの『失敗』に対していつまでも打開策(撤退という方法も含む策)を講じずにあれこれと悩み続けると、ストレスが去らずにとどまり続けることになります。
このパターンと同様に、生活の中でいくつものストレスを抱え込むと心身が参ってしまい、パニック障害や全般性不安障害を含む精神疾患を発症しやすくなります。
やるべきことやストレスを紙に書き出す
気持ちが内側に向きやすい内的性格の方は、とくにパニック障害や全般性不安障害になりやすいと言えます。
気持ちを内側に向けて物事を見つめなおすことは必要です。しかし反省し打開策を講じ(撤退や思考の末の放置を含む)、ある程度の道筋を立てたならそれ以降は気持ちを外に向けるべきです。
内的思考の方は気持ちが内側に向きやすいため、対策ややるべきことなど、一連の流れを紙に書き出すと良いです。
悩み始めたと気付いたら紙をみてやるべきことをやるというようにすれば、ストレスの渦に流されることが激減します。
もし考えた内容の履行が難しいと感じたら、その時もう一度考えてやりやすい方法を模索すると良いでしょう。
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セロトニントランスポーター遺伝子はS型とL型の2つの種類があり、S型が多い人は不安を感じる傾向が強いと言われています。
- 神経質タイプ
- SS型
- 中間タイプ
- SL型
- 楽観タイプ
- LL型
セロトニントランスポーター遺伝子は上記の3つに分けられます
日本人の約69%がSS型で、約30%がSL型になります。楽観的タイプのLL型は約1%程度です。
つまり、日本人のほとんどが神経質タイプのSS型で、不安を感じる人が多いことがわかっています。
このように聞くと「もともとどうしようもないことなんだ・・・」と思うかもしれませんが、日本人の全員が精神疾患になっているわけではありません。
また、SSタイプでも楽観的な人は存在しています。
パニック障害や全般性不安障害をはじめとする精神疾患のなりやすさというのは、遺伝が一つの傾向にはなるものの、遺伝自体は大きな要因にはなりません。
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