パニック障害や全般性不安障害になると、体の筋肉が固くなります。そりゃそうですよね。緊張や不安で体がこわばった状態がずっと続くんですから、これで体の筋肉が固くならないほうがおかしいです。
で、筋肉が硬くなるとどうなるかというと、神経圧迫や血流阻害が起こります。これが凝りや痛みの正体。
ここで注意しなければいけないことがあります。それが『病院』での診断です。一般的な内科や整形外科などでは、筋肉が固くなることはさほど(というかほとんどまったく)重要視していません。
西洋医学的な診断だと、例えば骨がずれて神経を圧迫するなど、大きな病変が見つからない限りは『病気』と診断しません。すべて『異常なし』と診断します。パニック障害や全般性不安障害から回復した人の多くが言っている、『筋肉が固くなる』ということを重要視しないのが西洋医学的な診断です。
しかし筋肉が固くなることで、目には見えない、データには現れにくいけれども、体のいろんな部位に悪影響を与えていることは確かです。
パニック障害や全般性不安障害以外の方でも、筋肉の凝りがひどくなると様々な不定愁訴を感じることからも、凝りが人体になんらかの影響を与えることが証明されます。
先に言った、筋肉が固くなることで引き起こされる神経圧迫や血流阻害についても、西洋医学的な診断ではまずわかりません。大きな病変ではないため、ビックリするくらいに見落としてくれます(;^ω^)
筋肉が固くなることで起こる負のループ
緊張や不安で体(筋肉)が固くなると、その周辺の神経は固くなった筋肉に圧迫されます。また血管、特に毛細血管が筋肉に圧迫されるため血流が悪くなります。
血流が悪くなると栄養素や酸素の運搬が悪くなるので、体の組織や細胞に十分なエネルギーが供給されないため、体は不安を覚えて緊張が強くなります。
そうなるとさらに筋肉は緊張して・・・。負のループが続きます。
ストレッチをすることで体の緊張を取り除く、または和らげることで、この負のループを断ち切ることができます。
ストレッチを行う意味を間違えないように
たまに「ストレッチをしても効果がない」という意見をネットで見ることがあります。しかしこれは大きな間違いです。
というか、ストレッチをすることの意味を間違えて捉えています。
ストレッチの最大の目的は以下の二つ
- 負のループを断ち切ること
- 筋肉が固くなる時の余裕を持たせておくこと
ストレッチの効果は体の筋肉の緊張を取り除いただけで、心理的な緊張や不安が取り除かれるわけではありません。
心理的効果がまったくないわけではありませんが、直接的な効果は余り感じないと思う方が多いでしょう。
そもそもの不安や緊張を取り除くには、思考の癖や環境を改善したり、体の改善をする必要があるのです。ストレッチをする目的は心理的効果よりも、体に余裕を持たせてあげる点にあります。
ストレッチをすることによってあらかじめ筋肉の固さをゆるめておけば、不安や緊張を感じた時に筋肉が固くなっても、少しの時間が経てばすぐに筋肉が緩んでくれるようになります。
なぜなら、ストレッチを継続することによって筋肉自体が柔らかくなっているから。
また、筋肉が柔らかくなっていると、不安や緊張した時に筋肉が固くなったとしても、神経圧迫や血流阻害も短期間で、あるいは軽くで済むため、体の自己回復力が促進しやすくなります。ストレッチにパニック障害や全般性不安障害の直接的な回復効果をあまり感じなくても、ストレッチを続けることで不安や緊張による筋肉の硬化に備えることができるわけです。
これがストレッチの本当の効果だと私は感じました。
もちろん回復期以降になれば、ストレッチだけでもパニック障害や全般性不安障害の症状からの回復効果が実感できるようになります。
ですので、運動前はもちろんですが、日々の生活の中でもできるだけストレッチは取り入れてください。
あ、もちろん呼吸を止めたり無理に伸ばしたりするストレッチはダメですよ~!筋肉にロックをかけてしまい、余計に筋肉に負担をかけてしまいますからね。
ストレッチをする時の注意については⇒こちらをご確認ください。
[adarea]