パニック障害や全般性不安障害の情報を得る手段として、パソコンやスマホを使ってインターネット検索をすることが多いと思います。
確かにインターネットにはパニック障害や全般性不安障害を治すための情報が多くあります。しかし、中にはいい加減な情報や病気の治療の妨げになるような情報も存在します。
同じような悩みの人がいることに心が強く保てますし、同じような苦しみから開放された方の情報を見れば希望を持つこともできます。
反対に、『効果がない』というような情報や『副作用がきつい』というような情報を見ると、「自分もきっと同じだ」と感じてしまい、逆に心が折れてしまうこともあります。
そこで、このようなことがないようにするために、ネットでパニック障害や全般性不安障害について情報を検索するときに知っておきたいことを紹介しておきます。
ネットを利用するときの心構え
ネット利用時の注意 その一
大きな情報掲示板などで書かれている情報は、書き込みをした人のその時の感情や情報が載っています。
「○○という薬を飲んだけど全然きかない」「副作用が強い」「この治療方法は効果がない」などという情報は、その人がその瞬間に感じたことであって、使用するタイミングや別の方なら効果があったということも多々あります。
書き込みをした人は、ネットに書き込みをしたあとに期間をあけて再度その薬や治療方法を試したら、驚くほど効果があったかもしれません。
しかし、『ネットに書き込みをしたあと』について詳しく経過を書いている人は意外と少ないのです。
ネット利用時の注意 その二
たいていの人は体の調子が良くなってくると症状の辛さが軽減するため、苦しみを誰かに知ってもらいたいという感情は薄くなっていきます。
多くの人は、「不安」「反対・反抗」「怒り」などの負の感情は外へと爆発させることが多いのですが、「幸福」「安心」「穏やか」などの正の感情は外に爆発させることはあまりありません。
そのため、パニック障害や全般性不安障害の症状から回復してきたという情報は、パニック障害や全般性不安障害の辛さや薬の副作用に苦しんでいるという情報よりも必然的に少なくなります。
ですので、治ったという情報が少ないからといって落ち込む必要はまったくないのです。
パニック障害や全般性不安障害が治った人というのはものすごく多くいます。その証拠の一つとして、精神疾患の患者数を把握している医師やクリニックのホームページを見れば、回復を断言しているページがものすごく多いことがわかります。
ネット利用時の注意 その三
パニック障害や全般性不安障害はあらゆることに対して「不安」を感じる疾患です。そのため、よくない情報が書かれているとその部分だけクローズアップしてしまい、思考が悪い方へ流れることがよくあります。
また、ネット上に書かれていることは一方通行であるため、その人がどのような環境にあってその文章や質問を残したのか、バックグラウンドがわからないものです。
パニック障害や全般性不安障害の不安の症状によって、良くない情報が思考の中で大きくクローズアップされ、勝手にイメージが組み替えられて、良くない情報がさらく大きく感じてしまうことはよくあります。
パニック障害や全般性不安障害を治療する過程の中で、薬や治療方法は人によって合う合わないがありますし、タイミングによって効果があったりなかったりするものです。
書き込みなどでインターネット上に情報を残さなかった人でパニック障害や全般性不安障害が治った方もたくさんいます。
良くない情報を見たら、「こういう場合もあるんだな」と思うに留めておき、良い情報を積極的に探して取り入れるようにしましょう。
ネット利用時のまとめ
よく、「ネット検索で情報を得るのはあまり良くない」と言う精神科や心療内科の医師がいます。これは、良くない情報に流されて気持ちが折れてしまったり、恐怖心が増しやすくなるという理由からの発言です。
当たり前ですが、医師がネット利用を推奨しない理由が「医師の治療方法が間違っていて、そのことを暴かれたくないからだ」などという、くだらない理由ではありません。
医師の多くが精神疾患の患者を救いたいと頑張っているのです。
ネット上に良い情報が多く載っているのも精神科医の方々は知っています。しかし、患者の回復にとって妨げとなる情報も同等以上に多く載っているため、悪影響を考慮して「ネットを見ないほうが良い」と発言するのです。
インターネットを利用されている方も多いと思いますので、そういった方は上記の『ネット利用時の注意』を知っておいた上で、良い情報を特に集めるように心がけてください。
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