日本政府が推奨する各栄養素の摂取量と、精神疾患の患者が摂取すべき栄養素の摂取量の比較です。

 
パニック障害や全般性不安障害の方が不足しがちな栄養のについては←の記事を参照してください。
 

(参考:低血糖症と精神疾患治療の手引―心身を損なう血糖やホルモンの異常等の栄養医学的治療

 

各栄養素の比較
日本政府が推奨する摂取量 精神疾患等の推奨量
栄養素 男性 女性 ()は医師の処方により異なる
ビタミンA
レチノール当量
850μg 700μg
ビタミンD 5.5μg 5.5μg
ビタミンE 6.5mg 6.0mg 400mg
ビタミンK 150μg 150μg
ビタミンC 100mg 100mg 3000mg
ビタミンB1
(チアミン)
1.4mg 1.1mg 150mg以上程度
(100mg
~500mg)
ビタミンB2
(リボフラビン)
1.6mg 1.2mg 150mg以上程度
(50mg
~500mg)
ナイアシン 15mg 11mg 150mg以上程度
(100mg
~3,000mg)
パントテン酸 5mg 4mg 150mg以上程度
(100mg
~700mg)
ビタミンB6 1.4mg 1.2mg 150mg以上程度
(100mg
~500mg)
ビタミンB12 2.4μg 2.4μg 150μg以上程度
(100μg
~2,000μg)
葉酸 240μg 240μg (400μg
~800μg)
ビオチン 50μg 50μg
カルシウム 800mg 650mg 1300mg
マグネシウム 340mg 270mg 650mg
カリウム 2,500mg 2,000mg 2.000mg
~3.000mg
ナトリウム 600mg(1.5g) 600mg(1.5g)
リン 1000mg 800mg
亜鉛 10mg 8mg 30mg
~60mg
セレン 30μg 25μg 200μg
0.9mg 0.8mg
7.5mg 10.5mg 貧血の程度に応じて
クロム 10μg 10μg 200μg
マンガン 4.0mg 3.5mg
ヨウ素 130μg 130μg
モリブデン 25μg 20μg
= 脂溶性ビタミン
= 水溶性ビタミン
= 多量ミネラル
= 微量ミネラル

上記の表は、日本政府が推奨している各栄養素の摂取量の目安と、栄養医学的治療を行っている医師が推奨する、精神疾患の方の栄養素の摂取量を比較したものです。

 

栄養の推奨摂取量と精神疾患時の摂取量2ものすごい大きな差があると驚かれるかと思いますが、実は日本政府の推奨する摂取量は、「病気にならないための量」の目安です。つまり、これだけの量を最低限摂取すれば病気にならないという量です。

 

健康な人は、毎日「日本政府推奨する摂取量」以上を摂取することを目標にしましょう!という数値です。

 

精神疾患の方は体内の代謝機能に異常があります。また、神経伝達物質の異常もあるため、必要となる栄養素は健康な人と大きく差があるのが普通です

 

本来なら血液検査で栄養素を分析して自分の足らない栄養素を効率的に摂取すべきなのですが、今の日本では必要となる栄養の血液検査を行う病院は極めて少ない状態です。

 

ですので、摂取上限量を念頭に置いて、食事に加えてサプリメントを活用し、自己責任のもと各自で調整するとよいでしょう。

 

各栄養素の日本政府が定める摂取上限量との比較
日本政府が定める摂取量の上限 精神疾患等の推奨量
栄養素 男性 女性 ()は医師の処方により異なる
ビタミンA
レチノール当量
2,700μg 2,700μg
ビタミンD 100μg 100μg
ビタミンE 800mg 650mg 400mg
ビタミンK
ビタミンC 3000mg
ビタミンB1
(チアミン)
150mg以上程度
(100mg
~500mg)
ビタミンB2
(リボフラビン)
150mg以上程度
(50mg
~500mg)
ナイアシン 300mg 250mg 150mg以上程度
(100mg
~3,000mg)
パントテン酸 150mg以上程度
(100mg
~700mg)
ビタミンB6 ピリドキシン
換算55mg
※米国
100mg
ピリドキシン
換算45mg
※米国
100mg
150mg以上程度
(100mg
~500mg)
ビタミンB12 150μg以上程度
(100μg
~2,000μg)
葉酸 900μg 900μg (400μg
~800μg)
ビオチン
カルシウム 2,500mg 2,500mg 1300mg
マグネシウム 650mg
カリウム 2.000mg
~3.000mg
ナトリウム 食塩8.0g未満 食塩8.0g未満
リン 3,000mg 3,000mg
亜鉛 45mg 35mg 30mg
~60mg
セレン 460μg 350μg 200μg
10mg 10mg
50mg 40mg 貧血の程度に応じて
クロム 200μg
マンガン 11mg 11mg
ヨウ素 3,000μg 3,000μg
モリブデン 550μg 450μg

こちらは日本政府が定めている、各栄養素の摂取量の上限を表にしたものです。空白のところは摂取量の上限が設定されていません。

 

基本的に水溶性ビタミンは、大量に摂取しても体から排出されるため害はないと言われています。そのため摂取量の上限が設定されていないのです。しかしナイアシンとビタミンB6については注意があります。

 

ナイアシンを大量に投与する治療法もありますが、体のほてりなどの副作用が起こる場合があります。

 

栄養の推奨摂取量と精神疾患時の摂取量その場合はビタミンC1,000mgと一緒に服用することがありますが、ナイアシンの処方は基本的には医師の判断で決定されます。

 

ナイアシンの前身であるナイアシンアミドには副作用がないため、サプリにはナイアシンアミドが使用されていることが多いです。

 

個人でナイアシンを摂取する場合は、副作用の心配がないナイアシンアミドが含まれたサプリを摂取しましょう。

 

日本政府はビタミンB6を構成する化合物の一つであるピリドキシンの含有量を設定上限にしています。

 

ビタミンB6は複数の化合物からなっています。そのうちの一つ「ピリドキシン」を設定上限にしているため、食品で摂取するビタミンB6の上限量ではありません。

 

以下、ビタミンB6と記している場合は複合体を指すこととします。

 

ビタミンB6は水溶性ビタミンですが、大量服用には副作用があるとされています。しかし、一日の摂取量200mg程度以下なら問題無いというデータもあります。アメリカでは上限100mgと定めています。

 

厚生労働省はピリドキシン300mg/dayを四ヶ月投与しても副作用はなかったというデータを公表しています。念には念を入れ、さらに石橋を叩いて渡る感覚で上限摂取量を男性55mg、女性45mgと設定しています。

⇒厚生労働省のページ

 

ビタミンB6はマグネシウムと協力して、トリプトファンがセロトニンに、グルタミン酸がGABAに変わるさいの補酵素として働きます。

 

パニック障害や全般性不安障害にとって、セロトニンもGABAも非常に重要なホルモンです。

 

ビタミンB6は精神疾患の患者の回復にとても重要な栄養素の一つです。最初のうちは加減しながら摂取すると良いかと思います。

 

微量ミネラルの上限摂取量と、医師が推奨する摂取量を比較すると、亜鉛が少々高い数値になっています。

 

心配な方は、サプリメントなどの摂取量を加減することで亜鉛は減らすことができます。

 
次は『栄養の上限摂取量とドクターズサプリの比較』についてです。
 

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